進め方の検討に入る前に
趣味の話になって、魚釣りってなにが楽しいの?と質問されることが時々あります。釣れるのを待つのって退屈では?と踏み込んだ問いかけも。釣りの楽しさとは?感覚を数値化(合計100%に)してみる。計画・準備・釣り場に向かう時間60%、魚を狙っている時間30%、魚がヒットした瞬間9%、魚を釣り上げた瞬間1%、とこんな感じになります。実は私にとっては、釣りに行くまで・釣れるまでの時間にあれこれ想像するのが一番楽しい時間なんです!といっても、なかなか伝わらなさそうですが…。重要性も然り。どこへ行こうか?どの道具が必要か?いつ釣れそうか?その時に行っても大丈夫か(家庭に暗雲が漂わないか)?天候や潮位は?など。実際に釣りをする前のこの段階が結果を左右します。その中でも最初にやるべきことが、狙いの魚(私の場合はざっくりと淡水魚か海水魚かのジャンル)を決めること。それから行ける範囲でこの季節に釣るべき魚種はどれか?自分にあったジャンルや魚種を決めることが先で、釣る確率を高める方法を考えるのは後。最近はいつも海水魚ばかり狙っているからとか、周りでもこの魚種が人気だからと、先入観や妥協によりはなからジャンルを固定してしまうと、狙うべき重要な魚を見落とす可能性が高まります。(でもまあ、趣味だからそれでも問題ないんですが…)趣味の話でついつい前置きが長くなりましたが、採用について考える際も、進め方の検討に入る前に、まずは自社の経営の中長期的方針に合ったジャンル(新卒・中途/正規・非正規)の検討から進めることをおすすめします。
新卒採用・中途採用
新卒採用は長期的な成長を見据えて柔軟に育成できる一方で、即戦力としては期待できないことがあります。中途採用は即戦力として貢献できる反面、文化の適応や報酬要求に課題が生じることがあります。
| メリット | デメリット | |
| 新卒 | 柔軟な適応力: 会社の文化や業務プロセスに対して柔軟に適応しやすい。企業固有の価値観ややり方を一から学び、吸収できる。 | 経験の不足: 業務経験が少ないため、即戦力になりにくい。トレーニングや教育に時間とコストがかかる。 |
| 長期的な成長: 長期的な視点で育てることができる。これにより、会社に対する忠誠心が高まり、長期間にわたって貢献してもらうことが期待できる。 | 早期離職のリスク: 慣れない環境や仕事内容に対して早期に辞めてしまうリスクが高い。これにより、採用コストが無駄になる。 | |
| エネルギーと熱意: エネルギーと熱意が高い人が多い。新たな挑戦に対する意欲や学習意欲が高いです。 | 初期パフォーマンスの低さ: 入社後すぐに高いパフォーマンスを発揮することは難しいため、初期段階での生産性が低い場合がある。 | |
| 中途 | 即戦力: 業務経験があるため、即戦力として期待できる。新しいプロジェクトや業務に対して迅速に対応できる。 | 文化の適応: 中途社員は既に他の企業の文化や業務プロセスに慣れているため、新しい環境への適応に時間がかかる場合がある。 |
| 多様な視点とスキル: 他の企業での経験を持つため、多様な視点やスキルを持ち込み、企業内のイノベーションや改善を促進する。 | 高い報酬要求: 経験やスキルに応じて高い報酬を求めることが多いため、給与コストが増加する可能性がある。 | |
| コストの低減: トレーニングや教育にかかるコストが新卒社員に比べて低く、即座に成果を上げることが期待できる。 | 長期的な視点の欠如: キャリアアップや転職を視野に入れていることが多く、長期間にわたる企業への貢献が期待しにくい場合がある。 |
正規採用・非正規採用
正規採用は長期的な安定と成長を見据えた雇用形態であり、企業にとって安定した労働力を提供します。一方、非正規採用はコストの低減と柔軟性を提供し、事業の変動に迅速に対応することができます。
| メリット | デメリット | |
| 正規 | 安定した労働力: 長期的な雇用を前提としているため、企業にとって安定した労働力となる。 | 高いコスト: 給与や福利厚生にかかるコストが高くなる。また、解雇やリストラが難しい場合がある。 |
| 高い忠誠心とモチベーション: 通常、企業に対する忠誠心が高く、モチベーション高く仕事に取り組むことが多い。 | 柔軟性の欠如: 雇用が長期的なものであるため、事業の変動に対応する柔軟性が低くなる。 | |
| スキルの蓄積と成長: 企業内でのスキルの蓄積と成長が期待でき、将来的なリーダーシップの候補として育成することができる。 | 採用の難しさ: 優秀な人材を正規社員として採用することは競争が激しく、難しい場合がある。 | |
| 非正規 | コストの低減: 給与や福利厚生にかかるコストが低く、必要な時にのみ雇用することでコストを抑えることができる。 | 低い忠誠心とモチベーション: 短期的な雇用が多いため、企業に対する忠誠心やモチベーションが低い場合がある。 |
| 柔軟性: 事業の変動に応じて労働力を柔軟に調整することができる。 | スキルの蓄積が難しい: 短期間での雇用が多いため、企業内でのスキルの蓄積や成長が難しい。 | |
| 迅速な採用: 採用を比較的迅速に行うことができ、即戦力として期待できる。 | 労働力の不安定さ: 契約が終了すればすぐに離職することが多いため、労働力が安定しない。 |
少子高齢化を背景とする労働人口の減少はますます進むことが予想され、企業の人手不足感の高まりから有効求人倍率が高い状況が続き、採用を取り巻く環境は過酷そのもの。募集をかけても集まらない。内定を出しても辞退。入社してもすぐに辞めてしまう。やっと活躍できるようになったところで…今の時代、人材確保が簡単にできる企業はほとんどありません。人手不足でご紹介した調査結果からも、商品やサービスの売り方やお金の管理を考えることよりも、人材を確保することの方が難しく、今注力しなければならないと認識されていることがわかります。でも悲観する必要はありません。逆に考えれば、人材の採用・定着・育成がうまくいけば、それ自体が他社との差別化につながり競争優位に立てるのです(リソース・ベースド・ビュー)。まず現状を直視し、あるべき姿や中長期の経営方針とともに自社に合った人材の在り方から検討を始めましょう(課題解決)。もしかすると今の採用を取り巻く難しさや苦しさの多くは、この初期の検討にあって、その後の進め方の検討や実行は思いがけず小さいのかも知れません。
