イノベーション・両利きの経営 ―企業の進化をつくり出すために―

企業の進化をつくり出すために

変化に直面した時に生死を分けるものとは何だろう?最初のキーワードは自然淘汰/進化であった。では、激しい競争環境の中で企業が進化をつくり出し、淘汰から逃れるために何が必要だろうか?老舗は過去の成功のせいで失敗すると言われる。なぜだろう?その一因は、成功したやり方に固執してしまったため、環境の変化にうまく適応できる製品やサービスを生み出せないからだ。イノベーション・両利きの経営は、環境変化の中でも老舗が生き残るために必要な考え方を提示しています。

イノベーション

ヨーゼフ・アロイス・シュンペーターは、イノベーションを新結合という概念で説明している。
新結合:これまで組み合わせたことのない要素を組み合わせることによって、新たな価値を創造すること

両利きの経営

既存事業の強化と新規事業の創出を同時に実現する経営手法です。既存事業を改善・効率化するための「知の深化」と、新規事業を模索・展開するための「知の探索」を右手と左手にたとえて、両手をバランスよく使いこなすことが重要としています。

●知の深化
既存事業を効率化し、競争力を維持・向上させる活動
例:コスト削減、オペレーション改善、既存技術やノウハウの活用など

●知の探索
新しい市場や技術への挑戦を通じてイノベーションを生み出す活動
例:研究開発、市場調査、テストプログラムの実施、異文化交流など

近くにあるものばかり見ていて、既に自分たちが知っていることだけで考えていては、新結合はつくれません。既存事業の効率化を進める傍ら、新規事業のタネを探しに出かけましょう。タネがみつかったら、すでに持っている技術やノウハウなどと結合して新規事業をつくり、既存事業で良しとされてきたやり方に固執せずに経営者が目をかけて育てていきましょう。そうしないと芽が出て間もない新規事業は、歴史ある既存事業(本業部門)によって簡単につぶされてしまいます。効率良く利益が出る既存事業に人やお金を全て投下したくなりますが、それでは長期的な繁栄は困難。たとえ人手不足で厳しい状況下でも、長期的な繁栄を目指すのであれば、経営者は知の探索(社外勉強会・外部との相談・読書や学習など)を進め、イノベーションが生まれやすい組織文化づくりを(まずはミッション・ビジョン・バリューなどの経営理念や人事制度の整備による経営の方向性づくりから)実践していく必要があるのです。