ミッション・ビジョン・バリュー ―現場の自律的な判断を支える―

現場の自律的な判断を支える

チームスポーツ。例えばサッカーで勝つために必要な要素は何でしょう?選手のスキル・体力・精神力、履きなれた品質の高いシューズ、運。それだけではありません。戦術、コミュニケーション、監督やコーチからの的確な声掛けを含めたなどのチームワークが必要です。企業も同様。現場で汗を流し、知恵を絞り、働く選手である従業員間で基本思想が共有されていなければ各々の行動はバラバラになってしまい、競争に勝てません。サッカー選手が状況に応じて瞬時に判断して行動できるのは、ある程度の基本思想が共有されているからです。経営においてその基本思想に当たるのが、経営理念や経営戦略と呼ばれるものです。経営理念は、全ての関係者が認識すべき価値観や社会的役割を示す広大な視野を提供し、経営戦略は、それを現実化するための具体的な手段です。ここではそのうち経営理念についてみていきましょう。なかなか思ったように行動してくれない。いちいち全て指示しないと行動できない。やる気や覇気がない。いきいきしていない。働く意義が感じられない。従業員や部下にそのような様子が見られませんか?そんな場合は、経営理念がない。あっても良くない。または、従業員に自分ごととして認識されていない可能性があります。

ミッション・ビジョン・バリュー

企業の経営理念の基本的な枠組みを表す概念です。この考え方は、経営学者のピーター・F・ドラッカーが著書「ネクスト・ソサエティ」で提唱し、広く知られるようになりました。

●各用語の説明
・ミッション:企業や組織が存在する目的や意義を示す。何を達成するために活動しているのか、どのような価値を提供するのかを明確にする
・ビジョン: 企業や組織が将来的に目指す姿や方向性を示す。長期的な目標や夢、理想像を描き出す
・バリュー: 企業や組織が大切にする基本的な考え方や行動原則を示す。これにより、企業文化や従業員の行動規範が形成される

●経営へのインパクト
・企業の競争力強化: 一貫した戦略を策定し、明確な方向性を持つことで、企業の競争力が強化され、人材の確保や成長が容易になる
・企業のブランドイメージ強化: 一貫した活動は、企業のブランドイメージを強化し、外部からの信頼を得ることができる
・エンゲージメント向上: 共通の価値観を持つことで、社員のエンゲージメントが向上し、生産性の向上や離職率の低下に繋がる

美辞麗句では人の心は動きません。経営者自身が率先してミッションを経営判断に活用して背中を見せなければ、従業員は白けてしまうでしょう。共有するビジョンはみんなが共感してワクワクするものになっていますか?自分たちのこだわりがバリューとして表現されて一体感を生み出すことに繋がっていますか?不確実・複雑・不透明・曖昧な時代。経営者がすべての現場の細かな事情に応じてタイムリーに正しい判断をすることは難しく、完全トップダウンはますますリスクの高い経営となっています。一方で、現場に適度な自律性を与え、共有する経営理念で最適な判断へと導く経営理念の重要性が高まっています。今や経営理念は本田宗一郎さんや松下幸之助さんなどカリスマ経営者達だけのためのものではないのです。