取扱注意だが、最も重要な資源
今まで上機嫌でニコニコしていたと思ったら不意の一言で突然怒り出す。良かれと思って指導したら自信を失って泣いてしまう。大事に育ててやっと活躍できるようになってきたと思っていた矢先に会社を辞めたいと言い出す。人ってつくづく厄介ですよね。人生を振り返って悩んできたことのほとんどは人との付き合い方だったように思われます(きっと私だけではないはず。ですよね…)。4つの経営資源(企業活動で活用できる内部資源)ヒト・モノ・カネ・情報の中で圧倒的に取り扱いが難しいのがヒトだと思います。言い換えると上手に取り扱うことができればライバルよりも優位に経営を進めることができます。感覚的にはなんとなくわかるけど、本当にそうなのかな? と思った方。ぜひ、リソース・ベースド・ビューを使ってみましょう。
リソース・ベースド・ビュー
リソース・ベースド・ビュー(Resource-Based View:RBV)は、企業の競争優位性を理解するための理論です。企業が成功するためには、単に市場環境や競合他社を考慮するだけでなく、自社の「持っている資源」に注目し、それを最大限に活用することが重要だという考え方です。つまり人的資源、設備、金、技術、ブランド力、知識などをどう活用するかが競争優位を生み出す鍵になります。
●RBVの理論によれば、企業の競争優位性を構成するリソースには次の特性がある
・価値がある(Valuable): 市場での競争において、顧客に価値を提供できる
・希少である(Rare): 他の企業が簡単には持っていない
・模倣困難である(Inimitable): 競合他社が真似しにくい、独自性がある
・組織が活用できる(Organized): そのリソースを活用するために、企業内で適切な組織やシステムが整備されている
これらの4つの条件(VRIOフレームワーク)を満たすリソースを持つ企業が、競争優位性を維持しやすいとされます。
RBVは、企業が競争優位を確立するためには、自社の持っている独自のリソースや能力をどれだけ効果的に活用できるかが重要であるという理論です。企業が持つ強みを最大限に活かし、それが他社には模倣できない特性を持っていれば、その企業は競争優位を維持できるという考え方に基づいています。
人手不足の加速に伴い社会において人の価値(Valuable)と希少性(Rare)が高まります。企業での活動を通じ、人の中に蓄積される業務遂行能力や判断力や価値観は、簡単には真似できません(Inimitable)。そして持続的な競争優位にするためには、どのようにして人を採用/定着・育成させるかが重要になります(Organized)。最近、人的資本経営という言葉がよく聞かれるようになりました。人を、コストでなく目に見えにくい資産と捉え、能力向上に投資し、定量・開示するという考え方です。長期的にみると人は最も投資対効果が良い資源であると言われています。度々悩まされながら、それでもしっかりと向き合っていくべき存在。道義的にも当たり前のことですが、忙しさと慌ただしさの中にいるとついつい見過ごされてしまうんですよね。確かに一理あるかも。と思った方は、これを機に一度立ち止まって、あなたの周りにいる人との関わり方について、腰を据えて考えてみてはいかがでしょうか。
