診断よりも大切なこと
あなたはコンサルタントにどんなイメージをお持ちですか?あなたが抱えている問題への対処方法についてコンサルタントがあれこれ診断する。そしてコンサルタントが高度な専門性を発揮してあなたが自力では考えつかなかった解決方法を提案する。以前の私はその様なイメージを持っていました。そしてそのコンサルタント像を嫌っていました。私は事業会社で10年程働いてきました。そこで日々の濃密な実務を大切にし(誇りに感じ)てきました。実務や現場を知らないコンサルタントが一方的に調査・検討して導き出された結論を押し付ける(少々上から目線で)。これでは鼻持ちなりません。現実的にそのようなコンサルタントもたくさんいて、状況によってそれが良い結果を生むこともあるでしょう。一方、実際には当時お世話になっていた中小企業診断士の方がいたのですが、関わる中で私の嫌いなコンサルタント像とは大きく異なる印象を受けました。もちろん良い意味で、です。その方のコンサルティングは以下でご説明する、「謙虚なコンサルティング」「伴走支援」を踏まえたものであったと思います。
謙虚なコンサルティング
アメリカの組織心理学者エドガー・H・シャインによって提唱された組織開発の支援モデルです。
●コンサルタントの支援形態を3つのタイプに分類
1.購入型(専門家モデル):専門家が情報やノウハウを提供
2.医師―患者型:コンサルタントが診断し処方箋を提示
3.プロセス・コンサルテーション:クライアントの自己診断と問題解決を支援
●特徴
・コンサルタントの力になりたいという積極的な気持ち、好奇心、クライアントとその状況に対する思いやりが起点
・打ち解けた関係性(専門的職業にありがちなほどほどの距離感や堅苦しさをなくす)
・対話によりクライアントとコンサルタントが共同で次の行動を探索・決定
・組織の実態を踏まえた最適な変革を志向
・特定の理想的な組織像や既定の施策を押し付けない
・クライアントが自身の環境で起こる出来事のプロセスに気づき、理解し、行動できるよう支援
この実践により、2の診断・助言に比べて、クライアントの組織にとって最適な次の行動を素早く見つけ出すことができます。
伴走支援
業経営者や組織に対して、対話と傾聴を通じて寄り添いながら継続的に支援を行う手法です。この支援方法は、従来の短期的で画一的な支援への反省から生まれ、プロセス・コンサルテーションの考え方を基盤としています。
●伴走支援の主な特徴
・経営者と支援者の対等なパートナーシップに基づく双方向のやり取り
・組織の自主的な問題解決能力を引き出し、持続的な成長を促す
・計画策定から実行、成果達成までを視野に入れた包括的な支援
・専門家による側面的支援と継続的な関与
●特に以下のような状況で効果を発揮
・組織が複雑な問題や困難な局面に直面している場合
・問題の原因が明確でない場合
・組織内で前例のない新しい取り組みを始める際
従来のコンサルティングと比較すると、伴走支援では支援者がファシリテーターとして機能し、顧客企業がより能動的に問題解決に取り組むことが特徴です。また、短期的な成果よりも長期的な組織の成長と持続的改善を目指します。
トップページで中小企業診断士である自分の仕事について、私は企業のかかりつけ医という言葉を使いました。しかし、私が依頼者とともに築くべき関係は、正確には、医者―患者ではないのです。もっと対等なパートナーとしての協力関係です。信頼関係がすべての出発点になります。そうなれば依頼者の企業にとって有意義な多くの気づきが生まれてくるはず。自然と、双方から。その様な信念を持ちつつ、地域企業のパートナー兼支援者として、これからも目の前の依頼者にとって本当に役に立つための支援とはどんな形なのかを考え続けてまいります。
