課題解決 ―対症療法・原因療法―

対症療法・原因療法

これから重要な顧客との商談があるのに頭が痛くなって熱がでてきた。そんなときにとりあえず解熱剤を飲む。これが対症療法です。いったん症状を和らげ、痛みや不快を取り除き、活動の質を維持する効果があります。一方で、細菌やウィルスへの体の自然な防御反応としての発熱を無理やり抑えることで、かえって病気を悪化させたり、診断の妨げになったりする場合もあります。対症療法と対比する療法は原因療法といいます。原因療法では、症状を引き起こす真の原因を特定して、それを根本的に取り除く(解決する)ことにより、病気そのものを治します。ビジネスにおける課題解決は、多くの場合は原因療法を目指し、一般的に以下のような構造を取ります。

課題解決

課題解決は、問題の本質を見極め、効率的かつ効果的に対処するためのプロセスです。5つの要素を使って説明します。

要素説明例:体力と健康
現状現在の状態や状況疲れやすく、体力が落ちている
あるべき姿到達したい理想的な状態・目指すべきゴール健康でエネルギッシュな生活
問題現状とあるべき姿の間に存在するギャップ体力と健康状態の低下
課題ギャップを埋めるために必要なこと(テーマ・取り組み)・運動不足の解消
・食生活の改善
・睡眠不足の解消
施策課題を解決するための具体的なアクション・週に3回の運動:ジョギングやウォーキングなど有酸素運動
・バランスの取れた食事:野菜や果物を多く取り入れる
・規則正しい睡眠習慣 :同じ時間寝て起きることで睡眠時間を確保

施策を実行することにより一時的に症状が落ち着く。でもしばらくすると問題が再発してしまう場合、その施策は対症療法なのかも知れません。同じ業界・同じような事業内容でも、これまで企業がたどってきた過去が違えば「現状」は異なります。また企業が目指す「あるべき姿」も同じということはないはずです。企業は外部の環境変化の影響を大きく受けます。固有の組織文化も強く影響するでしょう。残念ながら組織や経営領域における科学の知は医療ほどには万能ではないと言われています。一説では理論が通用するのは全体の3割程。しかしだからといって科学の知や専門家の経験が無駄ということを言いたいのではありません。経営の問題は複雑なので、専門家が相談を受けた際に外部(医師)の立場から一方的に診断して助言するスタイルだけでは対症療法を勧めてしまう可能性がある。だからこそ私は相談者との信頼関係に基づき双方の気づきを大切にしながら共に解決を目指す、謙虚なコンサルティングを実践する中小企業診断士でありたいと思うのです。