スーパーマン依存症
あなたの職場にスーパーマン(ウーマン)はいませんか?仕事熱心で、休みたがらない、そして彼にしかできない仕事がある。彼の離脱により、業績の大幅な悪化や、企業運営に支障をきたす可能性さえある。しかし、誰もその人のやり方を知らない。経営者でさえも。働き方改革への対応のため休暇制度が敷かれても、現場で行われている業務は自動的には変わりません。スーパーマンは他のみんなが休んでいる間も、こっそりと仕事をしています。そして周囲の人は(経営者でさえも)それを見て見ぬふりをします。心当たりはありませんか。いやいや、彼は企業にとってありがたい存在なんだ。とあなたは言うかも知れない。でも本当にそうでしょうか。彼がこっそり仕事をしていることを知る他の従業員は、企業が見て見ぬふりをして、それを黙認していることも知っています。だから企業に対する信頼は低下しています。スーパーマンが上司の立場である場合、モチベーションも低下。彼の元では人が育たず、離職が増え、そして、スーパーマンはスーパースーパーマンに。適切な業務標準化は、個人の仕事を組織の仕事に変え、個人の知恵を組織の資産として蓄積することで、リスクを未然に防ぎます。
業務標準化
業務標準化とは、特定の業務プロセスや手順を一律の基準に基づいて統一し、関係者が同じ方法で業務を遂行できることを目指す取り組みです。
●メリット
・効率化:業務プロセスが統一され、業務効率が向上。生産性が高まり、時間とコストの削減につながる
・品質の均一化:一定の品質を保つことが容易になり、顧客満足度の向上に繋がる
・トレーニングの簡素化:新入社員や異動してきた社員へのトレーニングが簡素化され、早期戦力化が図れる
・スケーラビリティ:業務を拡大する際に、標準化されたプロセスを適用することでスムーズな拡張が可能
●デメリット
・柔軟性の低下:業務の柔軟性が低下し、特に状況に応じた判断が求められる専門業務では、迅速な対応が困難になる
・創造性の抑制:固定化された手順により従業員の創造性やイノベーションが抑制される可能性がある
・高い初期投資:標準化には時間とリソースが必要
・抵抗感:従業員が標準化の取り組みや標準化されたプロセスに対して抵抗感を抱くことがある
●手順
①現状分析:現行の業務プロセスを分析。業務の流れ、実施方法、問題点などを可視化
②標準化対象の選定:標準化の対象とする部分を特定。属人化している業務や品質にばらつきがある業務を優先
③業務整理とフロー設計:業務を細分化し、ECRSを実行。業務フローを可視化し、手順や判断基準を明確化
④マニュアル作成と共有:作成した標準手順をマニュアル化し、関係者に共有
⑤運用と改善:標準化された手順を運用し、定期的に見直して改善。業務環境や要件の変化に応じて柔軟に対応する仕組みを整備
さらに業務標準化は、IT導入を効果的に進めるための重要なステップになります。標準化された業務プロセスに基づいてITシステムを設計・導入することで、効率的かつ一貫性のある運用が可能となり、企業全体の生産性や競争力を向上させることに繋がります。
スーパーマンのリスクも、業務標準化の必要性もわかっている。でも変えられない。人手不足の状況下ではスーパーマンへの依存が生まれやすくなります。特にベテラン従業員の場合、経営者ですらそこに切り込めない状況になることがあります。彼は、誰も自分に口出しできないことを知っており、また、長期的にもそれが企業にとって良くないことも承知の上で、標準化に抵抗することがあります。理由は、長年同じやり方を続けてきたため変えることが辛い。自分のやり方を言語化できないなどが考えられ、その背景には、この先の企業の成長(若手世代の繁栄)がなくても自分(自分達世代)は逃げ切れるという、価値観が垣間見える。依存は進行するほど抜けることが困難になります。だから早期の対応が肝心(どんな依存症もそうですよね)。人手不足でついスーパーマンに頼りたくなりますが、一旦冷静になり、一部分でも業務標準化できないか考えてみませんか。上記のような上司の元で人は育ちません。そのうち職場は魅力や活気を失い、採用難から更なる人手不足の負のスパイラルで組織がボロボロ。そしていつかスーパーマンもいなくなる。スーパーマン依存症は恐ろしいのです。
