立ち止まり、まずはE(排除)から
顧客の業務にとって必要だと思って毎日忙しい時間に送っていた帳票。本当に必要か疑って調べてみたらほとんど活用されていなかった(見ずに捨てられていた)。今後は送らなくていいよと顧客に言われた。何年も大変な思いをしてやってきたのに…また、X社向けのトラックへの積み込み作業。契約上は運送会社(委託先)の仕事になっていた。しかし、時々運送会社の作業遅れが原因で顧客店舗へ延着しそうになるのを、それではいけない!と手伝っていたら…気が付いた時には、その分自分達が早く出勤して手伝うのが当たり前になっていた。このようなことが重なり、該当部署の生産性が低下していた。これらは私が以前に経験したことですが、多くの企業でも同じような事象が隠れているのではないでしょうか。真面目で、仕事熱心で、人が良く、我慢強いからこそ、このような非効率・業務の肥大化は発生します。省力化の最初のステップは不要な作業を取り除くことから始まります。
ECRS
ECRSは業務改善のための4つの原則を示すフレームワークで、下記要素の英語の頭文字から構成されています。この順序で改善を検討することで、効果的かつ効率的な業務改善が可能になります。
| 要素 | 説明 | 例 |
| Eliminate(排除) | 不要な業務や作業を取り除く | 無駄な書類作成・送付の業務を削減 |
| Combine(結合) | 類似する業務や作業を一元化し、効率化を図る | 複数の部署が行っている類似業務を一本化 |
| Rearrange(入替) | 業務プロセスの順序や担当者を見直し、合理化を図る | 作業工程の順番を変更 |
| Simplify(簡素化) | 業務のプロセスや作業内容を簡潔にし、効率化を図る | ITツールを導入して業務を自動化 |
設備投資の検討やシステム構築の推進を任されていると、どうしてもSimplify(簡素化)から入りたくなります。この業務は人の手がかかって大変だ。複雑でミスが多い。できればやりたくないからシステムで何とかならないですか?と現場から声が挙がる。それをやるのに良いシステムはないか検討してもらえませんか。と上司からも依頼される。わかりました。考えてみます。これを導入すれば改善すると思います。といった具合だ。何とか力を見せたいというシステム担当者の気持ちがこの流れに拍車をかける。私も最初はそうでした。ECRSはそこで一度立ち止まって冷静になることが必要だと教えてくれます。なんでもかんでもシステム化していたらお金がいくらあっても足りません。現場はこれまで無駄な業務や余計な作業をやってきたことを認めたくないものです。Eliminate(排除)を実行しようとした場合、最初はその業務の必要性を訴えながら必死にあなたを説得するでしょう。でもやらなくても良くなったら、昔はその作業をやっていたということさえも、そのうち忘れてしまうでしょう。
